米澤穂信による4部作の推理小説。
そのうちの二作がTVアニメ化され今月より放映されている。
題して、
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・春期限定いちごタルト事件
・夏期限定トロピカルパフェ事件
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なんて甘々な・・・と思いつつ、私は大の甘党である。
勤務先の自席の引き出しにはチョコレートやクッキー等々が常にストックされている。
もともと私はとっても頭が悪いので、周囲の人に合わせて仕事をするためには常に脳をフル回転させなければならぬ。
従って大量の糖分が必要だ。
でも、上記の様な乾きものではだんだん物足りなくなる。
夕刻になると、別フロアにある自販機コンビニに出向き、シュークリームやアップルパイやタルト等を買い求めることとなる。
えぇ、これは自販機コンビニが自席フロアに近いのが悪いのであって、決して私の食い意地が張っている訳ではない。
脳を必死に働かせ周囲に迷惑が掛からないようにするためには仕方が無いのだ・・・。
閑話休題。
第一話を視る。
繊細な映像にゾクッとする一方、画面の所どころに寓意を感じる。
それは、「君は狼、あなたは狐」というティザーPV中の会話のせい。
短いセリフそのままに、登場人物である小鳩常悟朗と小佐内ゆき共に何かを内に秘めている。
言動の端々に、あるいは風景描写や画面構成にそのことが暗喩されている様で、映像そのものが仕掛けだらけの推理小説。
そして終盤。
これは確かにタイトル通り、事件だ。
否、単なる事件ではない。
いちごタルト“殺戮”事件である。
許せん。
あまりにも理不尽且つ凄惨な苺タルトの末路を見せつけられてしまったからには、その解決を見守らざるを得ぬではないか。
ということで視聴続行。
第二話のタイトルは「おいしいココアの作り方」。
冒頭でいちごタルト事件の今後の展開を少し匂わせる以外は、ほぼココアの作り方の謎を巡ってストーリーが進む。
その謎解きについては、作中で「手間が掛かり過ぎますよ」と指摘された方法までは私でもすぐに思いついた。
でもって結論は、想像を絶するズボラな作り方だったというオチ。
あまりもズボラ・・・というよりも乱暴過ぎて、ちょっと推察は無理でしょう。
たとえ、伏線として作った本人の粗野な性格を所々で描写していたとしてもだ。
そして第三話。
穏やかな日常に通底していた不穏がジワっと表に溶出した回であった。
以前放映されたTVアニメ「可愛いだけじゃない式守さん」の名字の部分を小山内さんに置き換えてそのままタイトルにしても差し支えないような、そんな内容。
もっとも、彼の作品に登場するのは不幸体質の彼氏を全力で守り抜くカッコ可愛いヒロインだったけれど、こちらはなかなか危険な狼だ。
よくも今まで二回分、「小市民」を偽装し続けてきたものだ。
一方、小鳩君の狐っぷりは今後どの様に事件の究明に向け物語を動かすのか。
更には、クール後半に展開するのであろう「夏期限定トロピカルパフェ事件」とはどの様なものか。
暫く視聴継続となりそうだ。