日本の佇まい
国内の様々な建築について徒然に記したサイトです
町並み紀行
建築探訪
建築の側面
建築外構造物
ニシン漁家建築
北の古民家
住宅メーカーの住宅
間取り逍遥
 
HOME
徘徊と日常
2025.10.11
空白の窓辺

痛みや悪寒といった共有不能の感覚ゆえに、それがもたらす日常の狭間にぽっかりとあいた束の間の孤立の時間。 その漂白された時間の中で、人はふいに知ることがある。 自らの身体が砂袋のごとき存在であることを。 そして、その鈍重な袋の中にこそ、意識が不安げに漂流していることを。

高松伸著「僕は、時計職人のように」所収の「穿天考」冒頭の一節。 初めて読んだ際、それから数十年後に自身がその時間の奥底に意識を漂泊させていようなどと想像出来る筈も無く。

2025.10.03
始業の前に
訪ねたことのない街に仕事で直行。 予定時刻の二時間前に現地入りし、未だ夏の勢いを残す明け方の強い日差しの下、あても無く徘徊する。
気になる佇まいに次々と遭遇する一時が、とても楽しい。
2025.09.26
緑化の目的
雑記帳のページにて9月16日に言及したオーガニックビル。 規則正しく配された突起状の植木鉢に育つ緑が、赤銅色の外壁との鮮烈なコントラストを成す。
その設置目的は、暑熱緩和よりも個性的な外観の獲得が主。 未だ気候変動や災害激甚化が顕然化しておらず、そして異化のための意匠が付加価値として強く求められていた時代の平和な壁面緑化。
2025.09.19
車窓の視覚
近鉄大阪線の車窓からの風景は、まだこの様な場所が在るのだなと何やら懐かしさや歴史を感じさせる佇まいが次々と立ち顕れる。
いつか、特急ではなく各駅停車でゆっくりとそれらの景色を眺め、あるいは途中下車して歩き回ってみたい、などと思う。 それがいつのことになるやら。 そしてその想いが叶う頃、今眺めている風景は果たして残っているのだろうか。
あるいはそれらは、特急のスピードと共に一瞬のうちに過ぎ去ってゆくからこそ印象的なものとして捉えられるのかもしれぬ。
2025.09.12
散歩の途上
ガードレールに支持された木製のベンチ。 テコの原理を基づく片持ち形式の固定ディテールは明らかに後付けされたもの。 誰かが日曜大工の延長で据え付けたのだろう。 共色の塗装によって違和なく納まり、そして背後の緑と鮮やかな対比を成す作者不明の風景。
2025.09.05
早朝の気配
熱帯夜の大気がねっとりと滞留しながらもまだ少しは過ごしやすい早朝、出張先の街中を徘徊する。
日の出と共にみるみる上昇する気温を肌で感じながら、そして街全体が徐々に動き始める気配を感じながら、朝食をとるため一旦宿泊先に戻る。
アーカイブ

・前のログ

HOME
PREV