日本の佇まい
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徘徊と日常
2017.01−2017.04
2017.04.22:
時折、思い出したように行っている万年塀の事例採集。
今回目に留まったのは、この場に昨年7月6日に載せた事例と同様の横長スリットが穿たれたものが下段に用いられている。 そしてそれとは別に最上段に組み込まれたパターンは、この無機的なPCa部材にも様々な表情を生み出す可能性があることを教えてくれる。
2017.04.14:
山田守の自邸が期間限定にて公開中とのことで観に行ってきた。 平日にも関わらず大盛況。 中には、写真撮影不可の屋内で無心にスケッチブックに内観を描きとめる人も。 感心しつつ、私は懐からクラックスケールを取り出して、ちょっと気になった建具枠の見付寸法を測りまくる。 開口のプロポーションや位置等に細心の意を払い、八掛納りを含めた幾種もの見付寸法がそれぞれの額縁に適切に与えられることで流れる様に連続する空間全体に品格が備わる。 そんな佇まいを堪能しつつ、あとで思い返すと額縁納りばかりを観て廻っていた様な気がしなくもない。
2017.03.20:
新宿歴史博物館で開催中の「塔の森クロニクル−新宿の高層ビル群ができるまで」を見に行く。 超高層建物が林立する今現在の街区の開発が始まる前に実施された都市計画コンペの提出案の展示が興味深かった。
地形を活かしてサンクンガーデン的な扱いで整備された同館の庭に植えられたコヒガンザクラがちょうど五分咲きくらい。 暫し二階の休憩コーナーからちょっと早めの花見を愉しむ。
2017.03.15:
松屋銀座で開催中の「君の名は。」展。
一階エントランスの柱に掲げられたイベント告知のポスターは、二人の主人公の間に星が力強く光り輝くオリジナルの図像。 その光線が柱の仕上げに用いられた石の割付け(目地位置)に縦横ピッタリ揃っているところが建築的(?)に美しい。
会場は、膨大な量の絵コンテが展示されていた。 その緻密さに、ものづくりにおける出来栄えは、いかに完成度の高い設計図(絵コンテ)を詰めるかということなのだと改めて実感する。 ほかに設定資料等も数多く展示されていたが、その中に主人公・立花瀧の家の間取りのスケッチもあった。 「間取り逍遥」のページに載せた試案とほぼ同じだったのでちょっと安心した。
2017.03.08:
大阪市北区天神西町のお吉稲荷大明神。
幹線道路に挟まれた狭隘な交通島の中に無理やり嵌め込まれた様な佇まい。 しかも直上には阪神高速の高架が重々しく覆いかぶさり、祠の背後には高架の橋脚が御神体の如く屹立する。
都市基盤の構造が如何に激変しようとも、聖性の場はおいそれと動かし難くそこに留まり続ける。 結果生じた風景は、極めて今日的な日本の風景の縮図と言えるのかもしれぬ。
2017.02.27:
徹底した歩車道分離。そして明瞭な都市軸の形成。 大高正人が手掛けた幾つかの都市計画に共通して見受けられる手法が、このJR検見川浜駅北口界隈においても容易に確認することが出来る。
その中心は、ふれあい橋と名付けられた幹線道路を跨ぐ歩行者専用の斜張橋であろうか。 駅舎の出入口から一直線に伸びる軸線の途上にシンボリックに配置され、駅前の風景の要となっている。
果たして、このエリアに住む人々にとってこの橋の存在はどの様に映り、そして位置付けられているのだろう。
2017.02.17:
神奈川県警察本部・尾上町分庁舎。 近々解体との噂を耳にしてはいたものの、心情的にそれを積極的に確認しようという気にはなれずにいた。 しかし最近、私用で関内に行った際に当該建物に寄ってみたところ、ちょうど解体 工事に向けて建物外周に足場を設置中。 その物理存在を拝むのは、どうやらこれが最後の機会となりそうだ。 去りゆく風景に想いを寄せつつ写真を数枚撮る。
2017.02.09:
GKビル。 正方形平面の垂直シャフトの二面にガラスのキューブがフロアごとにオーバーハングして取り付く形態が特徴的な外観。 全てのフロアにキューブを設けるのではなく所々欠けた状態となっているところが、将来的な増築の可能性を示唆するメタボリズム的な意図を想わせる。 それは例えば同じく銀座に建つ丹下健三設計の静岡新聞・静岡放送東京支社ビルの意匠とも相通じる。 あるいは、1974年という竣工年もその様な建築潮流の興隆に与すると解釈できそうだ。
現況は賃貸オフィスだが、ネットで調べてみるとかつては旧東京相互銀行の銀座支店であった様だ。
2017.02.02:
竹本内科医院。 JR高徳線板野駅停車中の電車内から撮影。
構造的には必ずしも全て必要とは思われぬ各階に密に配置された片持ち梁。 キャンチスラブがもたらす陰影の中にそれらの小口がリズミカルに浮かび、基準階の外観意匠を印象付ける。 そしてその上に、たっぷりとした階高を有する最上階がスキップフロアを伴う動的な形態を見せながら違和感無く載冠し全形を纏め上げる。
鑑賞時間はほんの一瞬であったが、気になる建物であった。
2017.01.24:
辰巳アパートメントハウス。 平滑な壁面に開口をランダムに配列する今時の意匠が採用された、いわゆるデザイナーズマンションの類。
この意匠が、見え掛かりとなる接道面のみならず向かって右手の隣地境界側立面にも律儀に施されている。 それは、単なる表層デザインではなく内部の平面形態や構造形式と密接に関わって作り出されたものだからなのだろう。
但し、こちらの立面に面して新たなマンションがピッタリ近接するように建設中。 この側面を拝められるのもあと僅かかも知れぬと思い、取り敢えず写真に収めた。
2017.01.14:
長岡市を中心に配布されているフリーペーパー紙「マイスキップ」に、「まちかど逍遥」という小さなコラムを短期連載中。 1月号は塔屋について書いてみた。
今月号は、このコラムだけではなく、他の方が書かれた記事の中にも私が少しだけ登場。 同紙は、市内の公共施設や店舗等で配布されています。
2017.01.08:
1月7日のNHK「ブラタモリ」が取り上げたのは、千葉県の浦安市。
予告の中で「浦安に富士山」という場面があって、てっきり富士塚のことかと思っていたら別のネタだった。 確かに富士塚は浦安固有のものではありませんからね。
番組自体は、限られた時間の中でうまく纏められていた。 最後のタモリの総括、「どれが本当でどれが夢なのか、繋がらないんですよ、街が。」は言い得て妙。 それ程に狭い範囲に様々な要素が凝縮された街であることは、かつて住んでいた際に実感していた。
写真は、市内の豊受神社に大正期に造られた「猫実富士」。 他に二箇所、富士塚が在る。
2017.01.03:
ここ数年、年賀状には昨年(というか、作成時点ではその年)撮影した写真の中で特に気に入った風景画像を用いている。 ということで、今年採用した画像の元ネタをこちらにも載せる。
年賀状には窓枠外の部分を除いたものを用いたが、搭乗した飛行機から眺めた雲海がとても幻想的だったので思わず撮った一枚。 アニメ映画「君の名は。」風にいうならば「カタワレ時」ということになりますか。 ま、撮影したのは同映画が封切される以前のことでしたが。
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