日本の佇まい
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2023.01−2023.04
2023.04.28
階段に纏わる小さな備忘録
保存が建て替えか。 議論が伯仲しながらも、中銀カプセルタワービルはその建築史的な立ち位置から辛うじて存在し続けるのだろう。 内覧の機会を得るまではその様に考えていた。
しかし、各カプセルを支持するシャフト内の共用階段を昇降する際に鼻についた黴臭さに、それが生ぬるい希望的観測であることを思い知らされる。 滞留するその空気質環境が老朽化に伴う慢性的な雨水浸入に起因することは明らか。 特殊形態ゆえのメンテナンスの不全が集住の用途としての継続を厳しい状況へと追い込む。 嗅覚に鋭く語り掛けてくるそんな実態と共に、今は亡きこの作品が自身の中に記憶される。
2023.04.20
階段に纏わる小さな備忘録
所在地:
北海道三笠市幸町2

竣工:
1956年9月23日

設計:
木澤精爾

施工:
山崎建設工業株式会社
Y型平面を特徴とする三笠市役所庁舎。 その中心に据えられたT型平面の階段。
昇降途上の踊り場で生じる90度の身体転回と、段床に対して斜めに取り付き三方向に分岐する廊下が織り成す空間構成が方向感覚を惑わす楽しさ。
2023.04.13
YANMAR TOKYO
隣に屹立する八重洲セントラルタワーの付属棟という印象に陥らぬ佇まいを保ちながら、同じ街区内の再開発事業として違和の無い全体象の創出にも参画する。 そんな相反する与件にバランス良く対処した自社ビルが、東京駅八重洲口の真正面に鎮座する。
その接地階ピロティ廻りの天井は、垂木を想起させる意匠を採用しながら同社の事業と深く関わるトラクターと容易に結びつく色彩を施すことで、伝統への接近とアイデンティティの確保を試みている。
所在地:
東京都中央区八重洲2

竣工:
2022年08月20日

設計:
日建設計

施工:
竹中工務店
2023.04.06
去り行く風景への視線
立地する街区一帯の大規模再開発に伴い営業を終了した八重洲ブックセンター。 いずれ周囲を圧倒する規模で立ち上がる超高層建物内に「将来的な出店を計画しております」と公式サイトに書かれており、ちょっと楽しみ。 でも、静かに除却を待つ姿は寂しくもある。
2023.03.30
フェイクの風景
鉄道高架直下に線形に整備された商業施設の通路上に満開の桜。
人工物に囲われた半屋外空間のアスファルト舗装面から妙にリアルな擬木がにょっきりと生える様態は、どこか不可思議な印象。
2023.03.24
メーカー住宅施工事例
今まで幾度か通った道すがら、新たな施工事例を発見する。 これは、1973年8月21日にミサワホームが発表したホームコア75。 その北側外観。
公道から奥まった旗竿地に建つがために目に留まらなかった物件を、隣接建物の建替えによって生じた空隙を介して視認する。 街の片隅の小さな変化に伴い、それまで遭遇し得なかった視覚の享楽に授かる。 だから、ありふれた通りの再訪も愉しい。
2023.03.16
階段に纏わる小さな備忘録
旧北海道庁立図書館は、永らく公文書保管庫に転用されていたため、札幌市街地の景観を彩る近代建築でありながら馴染みの薄い建物であった。 しかし近年になって菓子製造及び販売業務を執り行う北菓楼に売却され安藤忠雄の設計よって店舗へと改修。 以降、その隅角部に閉ざされていた荘厳な階段室は、来訪者の動線に供する日常的な場所となった。
2023.03.10
予習
書名:
天体建築論
レオニドフとソ連邦の紙上建築時代

著者:
本田晃子
明日視聴予定のオンライン・シンポジウムを前に、司会兼講師の方の著書を図書館で借りて読む。
2023.03.03
通りすがりの佇まい
店先に、ささやかな春の兆し。
2023.02.24
失われた建物に纏わる記録
建物名称:
菊月ビル・ゆう文ビル

所在地:
東京都新宿区高田馬場

竣工:
1968年9月

設計:
小山建築設計事務所

4地権者による高田馬場第一防災建築街区整備事業。 下層が商業施設、上層が集合住宅。 突出する箱部分は、住戸内の和室の広縁。
突出する箱の連なりが醸すカプセル建築的な印象から何気なくカメラを向けた。 暫くして、再開発事業に伴い当該建物は除却。
そうなる前にもっと記録しておけば・・・といった類いの後悔を、今まで何度繰り返してきたことか。
2023.02.17
建築の側面
当サイトの「建築の側面」のページに掲載している物件は、いずれも8文字のタイトルを付けている。 それまで見えなかった建物の側面が隣接建物の除却によって露わになった際、その佇まいを表わす8文字前後の言葉が瞬時に浮かばぬ事例は、大概そちらのページへの登録に至ることは無い。
これもそんな物件の一つ。 但し、撮影してから数日後に手前の時間貸駐車場が閉鎖。 建物の新築工事が始まった。 画像のアングルはもう望めぬ。
風景との戯れは一期一会。 だから、文字列が浮かぶか否かに関わらず取り敢えず撮っておけば記録にはなるし、こうしてこちらの方に載せるネタにもなる。
2023.02.09
工作物の肥大
北川原温設計のF1/船木商会社屋。
法規制の趣旨に対する意図的且つ合法的な離反がなぜか視覚に心地よい。
2023.02.02
階段に纏わる小さな備忘録
旗竿地に建つ古びた木造アパートの片隅に設けられた地下に向かう階段。 蹴上げの高いその段床を一段一段降りてゆく際の感覚は、帰還不能の異界へと誘引されるかの如し。 そうして降り立った先に広がるのは、剥き出しのコンクリートも荒々しいピット空間。 天井は低く、床面には排水勾配程度の傾斜。
地上部の建物からは全く想像し得ぬその場所は、「アートスタジオDungeon」と名付けられたギャラリー。 訪問者はそこで極上のアートに遭遇しつつ、元々の用途に想像を巡らすこととなる。
2023.01.26
通りすがりの佇まい
商店が建ち並ぶ道筋に立地する銀行の支店店舗。
見え掛かりとなる接道側立面のみに集中する外観意匠は、二種のリブを用いたシンメトリカルな配列による端正な構成。 リブの間に嵌め込まれたプロフィリットガラスどうしの竪の突き付けラインが、立面に貫徹する竪の要素を強化する。
2023.01.20
繁華街の片隅で
向かいの建物が除却されて駐車場となったがために確保された引きの視線。 そこで確認される全体像は、一つの建物の立面に全く異なる複数の意匠が何の脈絡も無く縦横に重合する様態。
石井和紘が「同世代の橋」で試みた設計手法を想起しつつ、しかしそこに顕れているのは、時間の堆積が造り出した“建築家なしの建築”。
今現在に至る変容過程に暫し想いを馳せる。
2023.01.15
建替え前後
竣工間近のジューテック本社ビル。
一部に採用された木質架構が内外観意匠に積極的に活かされているのは、時代の流れ、そして同社の創業が合板販売であったことに由来するのだろうか。 建替え前の前川国男設計によるコンクリートの表情も険しい旧社屋とは雰囲気を全く異にする。
旧社屋の外観。
概要は、当サイトの建築探訪のページ参照。
2023.01.10
通勤途上
見上げれば、朝焼けに染まる高層ビル。
2023.01.03
冬の東京湾
千葉港の埠頭より富士山を遠望する。
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