日本の佇まい
国内の様々な建築について徒然に記したサイトです |
|||||
■
|
INDEXに戻る |
ニシン漁家建築
旧中里家番屋 |
|||
所在地:
北海道小樽市祝津2丁目 竣工: 1913年 |
写真1:外観
|
|
|
|||||
密集して建ち並ぶ民家の狭間を幅員が極めて狭い道路が複雑に入り組んで縫う様態は、全国津々浦々の漁村集落に見受けられる。
祝津地区に現存する主だった番屋建築は、かつての狭隘道路を抜けた先の海岸沿いに敷設された道道454号に沿ってその殆どが散在している。 下見板張りの外壁に、急勾配な寄棟屋根。 その中央に、形が微妙に異なる二つの出入り口がある。 これらの出入り口を境に左右の外装面の意匠が異なっている辺りに、ニシン番屋建築の特徴が良く顕れている。 もう一つの特徴的アイテムである棟部分のケムリダシが見当たらないが、当初から無かったのか。 それとも後の改修の際に撤去したのだろうか。 私が初めて観た1988年の段階においても、存在しなかった。 |
||||||
写真2:
|
写真3:
|
|||||
玄関は、向かって左側が網元用、右側が傭漁夫用のもの。
傭漁夫用の玄関を入ると、一間幅の通り土間が一直線に背後まで突き抜けて、網元と漁夫達の居住空間を分ける。
そんなこの番屋も、実は道路拡幅計画エリアに引っ掛かっている。
曳家でもしない限りは、いずれ除却の対象となろう。 |
|
|
||
■INDEXに戻る |
2012.10.20/記
|