日本の佇まい
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コンクリート製遊具2


天から舞い降りた羽衣が、着地する寸前で静止。 数箇所から脚がニョキニョキと生えて接地。 大地にしっかりと根を張り、そのまま悠久の時が経ち石化して今日に至った物体。
はたまた、水辺に生息していた巨大なアメーバ状物質か突然変異の軟体動物が地盤の隆起と共に地上に露呈し固化した状況。
そんな様々なイメージを喚起させる不思議な形態の白一色のコンクリート製遊具が、住宅地内に整備された児童公園の砂場の中に配置されている。

公園の遊具といえば、例えば滑り台やブランコ等、その形態が遊びの行為を規定するものが多い。 しかし砂場の中に不定型にうねる厚さ10cmのコンクリート版で出来たこの構造体には、行為を限定する要素が何一つない。 あるいは何らかの遊び方を誘因する具象的な形態を表わしている訳でもない。 どうやって遊ぶのかは、この物体に接する子供たちの閃きに委ねられる。

そんな遊具が置かれたこの公園は、何時訪ねても子供が利用しているところに出くわしたことが無い。 その背景として考えられるのは、別途コンクリート製遊具1のページにも書いた通り。 恐らく同じ背景によってこの公園も閑散とした状況におかれるようになったのであろう。
しかし、取り残されたこの遊具は物寂しい風情を漂わせてはいない。 遊具転じてパブリックアートの様な趣きで、その場に泰然とそして静かに佇んでいる。

児童公園がその機能を著しく減じてもなお存在価値を見い出し得る住宅地内の公共空間の在り方などと大袈裟に考えることにあまり意味は無い。
ただ、その拠り代としてこのコンクリート製遊具が新たな用途を付与されて存続し得ないかなどと個人的に願うところである。
もっとも、近傍の同様の児童公園においては、老朽化したコンクリート製遊具が次々と除去され、そしてありふれた規格型鋼製遊具に無機的に置き換えられつつあるのだが・・・。



INDEXに戻る 2016.01.23/記