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戸建住宅.04:拡張型SIII
平面図

物件データ

構造:
WRC2F

築年:
1983年12月

敷地面積:
337.50平米

延床面積:
192.35平米

正方形平面によるほぼ総二階建ての間取り。
ミサワホームSIII型の骨格を想起させる。
階段を北側に半間分だけ突出させ、その下部にユーティリティを設けているところなどは、SIII型そのものとも言えよう。
この階段配置により、諸室が効率的にレイアウトされている。
SIII型との違いは、その面積が異なること。
4間×4間の限られた空間にコンパクトに諸室を収めたSIII型に対し、この物件は5.25間×5間。
したがって、余裕のある間取りを実現している。

一階は、玄関まわりのしつらえが目に留まる。
屋内に入った際に視認されるのは、アイキャッチとしての正面のニッチと、その両脇の無目開口のみだ。
階段や諸室の扉など、様々な要素が錯綜して意外と雑多な印象となりがちな玄関回りが、シンプルに整理されている。
それを可能にするのが、H型平面の廊下形状である。
出来ることならば、玄関上部の吹抜けを介して見える二階部分の処理にも気を使ってほしかった。

そんな玄関ホールから南側のリビングに入ると、北側に和室が接続し、広縁を伴って南北方向に流れるように繋がる空間が心地良い。
軽く分けられたリビングとダイニングの関係も良い。

二階は、納戸と洗面と吹抜け部分を合せて居室にすれば、これもSIII型と同じ四室構成が可能となる。
正方形の空間にまとまった面積の居室を数多く確保可能とするのは、北側中央寄りの折り返し階段配置の為せる業である。
といっても、これだけ余裕のある床面積だと、その効用も薄れるが・・・。



2010.04.18/記