日本の佇まい
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建築の側面
東京都物件05:痕跡生成中の現場
規模:9階建て

用途:事務所

写真1:外観

写真2:
痕跡の別アングル

北海道の物件No.2で紹介した隣接除却物件の痕跡が見受けられる側面の、東京の事例である。

ちょうど手前の建物が解体中であり、下層2フロア分はまだ敷地周囲に工事用の仮囲いが設置されていた。 つまり痕跡生成中の現場ということになる。
中層ビルの除却だけに、痕跡の規模が違う。 痕跡から察するに、除却建物は地上5階建てであったようだ。
周囲の建物の状況から鑑みるならば、敷地の有効活用という観点では十分とは言えない建築容積であったのだろう。 敷地条件に対して法的に許容される上限目一杯の建築延床面積を確保することが、不動産事業の必須条件。 土地の上にたまさかに構築される建築という名の耐久消費財の事業的効率性の観点から、更新が求められたといったところか。 そんな事業収支の桎梏の中で、都市は益々機能を過剰に集中させることとなる。
別に批判している訳ではない。 単純に言い切ってしまうならば、都市、とりわけ東京はその様な前提の上に成立している場所である。

この転写された都市の記録は、更地となった敷地に新たな建物が建てられることにより封印され、そして転写がなされた隣接建物自体の除却により消去されることとなる。



2006.12.16/記