日本の佇まい

INDEXに戻る ニシン漁家建築:竹谷家番屋


所在地:
積丹郡積丹町美国

竣工:
明治初期

規模:
1階;268.1平米
2階;37.1平米

現況:
非公開

写真1:外観


※1
美国の町並み
番屋と思われる建物や石造倉庫が海に妻面を向けて並んでいる。

美国港に対し、妻面を向ける形で建てられている。
周囲に家が建て込んでいるため、全景を撮るためにはアングルが限られてしまう。 しかし、周囲の建物により海風から保護されているためか、比較的旧態をよく遺している。

学術調査の対象となった現存番屋の中では、相当古い部類に属するらしい。 確かに、形態には他の番屋建築とは異なる特徴が散見される。
例えば、ケムリダシの形状は、随分と独特なものだ(写真2)。 また、屋内の土間の配置も、番屋建築成立初期段階において確認されるL字型をなしている。
写真1の手前側は、窓が二段配列されている。 この内側は、ニシン番屋建築の特徴であるネダイが廻っている。 つまり、手前側が雇漁夫達のスペース、奥側が網元の居住空間ということになる。


写真2:ケムリダシ部分詳細

写真3:海側から観た外観

写真1の奥に見られる二階部分は増築と見られている。
そちら側から写した画像が、写真3だ。 なるほど、屋根の接続方法がやや強引であり、増築である可能性が高い。
この増築と思われる二階部分は、床の間と広縁が付いた十畳の和室と四畳半の部屋が設けられている。 写真手前側の大きな開口からは、かつてはその先に広がる海を一望出来たのであろう。

私が訪ねた時点では、この番屋は倉庫として使用されていた。
美国は、竹谷家以外にも、外観にニシン番屋建築の特徴がよく顕れた建物が幾つか現存する。 そして、海に妻面を向けて奥行き方向に並ぶそれらの建築群が、かつての漁村集落の特徴を色濃く遺す町並みを維持している※1



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参考文献:
建造物緊急保存調査報告書第13集<北海道教育委員会>

2011.06.25/記