日本の佇まい

INDEXに戻る ニシン漁家建築:伊達家番屋


所在地:>
増毛郡増毛町別苅

建設年:
1931年

規模:
1階;344.94平米

現況:
非公開

写真1:外観


昭和時代に入ってから造られた番屋。 ニシン漁の最盛期にあたる明治後期頃に一挙に豪壮化した各地域の建築事例に比べると、その構成は簡素。 装飾的要素は無く、番屋としての機能のみに忠実に構成されている。 番屋建築の素形の様なものを、そこに確認することが出来そうだ。 これは、いわゆる番屋建築形式の成立以降、数々の番屋の建設の中で、要求される機能に対する洗練が深化した結果なのかもしれない。

資料によると、内部の構成も整形で合理的なもの。
建物平側のほぼ中央に設けられた切妻破風を載せた幅二間半の玄関を入ると、そのまま二間半幅のニワが建物背後まで突き抜けて、更に水廻り等をまとめた別棟へと接続する。
そのニワの左側にダイドコロ空間、右側に網元のスペースが配置される。
ダイドコロ空間は、コの字型に廻したネダイに囲まれる様に漁夫たまりが設けられているが、暖房設備は囲炉裏ではなく石炭ストーブであることも、時代の流れを感じさせる。

このように、内外観ともに簡素な構成であるが、日本海に向かって十三間の間口を向けた配棟は遠方からも目立ち、その存在感は、かつてのニシン漁の興隆を今に伝えるのに十分だ


写真2:背面の外観。
前方に日本海が見える。
海と番屋の間に国道231号が通る。


写真3:遠景
増毛町市街地方面から、海沿いに弧を描く国道231号より対岸の別苅集落を望む。
中央が伊達家番屋。



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参考文献:
建造物緊急保存調査報告書第13集<北海道教育委員会>

2009.08.01/記