日本の佇まい

INDEXに戻る ニシン漁家建築:旧近江家番屋


所在地:
小樽市祝津

現況:
非公開

写真1:外観


※1
旧田中家住宅
1897年竣工。 北海道指定有形文化財。 元々は泊村照岸に所在していたが、1958年に主屋のみ現在地に移築。公開されている。

小樽市の中心部から祝津へアクセスした際、その正面奥に高島岬が見える。 岬の上には、旧田中家住宅(現、鰊御殿)※1が鎮座する。 あたかも当初からその場所に建てられ、祝津の漁村集落を睥睨していたかのようなシチュエーションであるが、実は泊村からの移築である。
その高島岬のふもと、旧田中家住宅に至る坂道の脇に、この近江家住宅が建つ。 切妻屋根に方形形式のケムリダシを冠した外観。 その正面は、中央右寄りにむくり破風の玄関が設置され、その両側に竪繁格子が連なる同質の意匠が施されている。

例えば和と洋の意匠を厳格に使い分けた別項の白鳥家番屋(浜益)や、内部空間の用途の違いがそのまま表出した旧茨木家番屋のような動的な印象は、この外観にはない。 そのかわり、安定した端正なイメージが認められる。


写真2:ケムリダシ部分の詳細

写真3:格子部分詳細

※2
番屋建築の座敷部分は六間取り形式の平面プランが多い。

内部は、玄関を入って正面に土間が背後まで貫き、その左側に3行2列の整形六間取り※2の座敷が配置される。 そして右側には、漁夫溜まりをL字型のネダイが囲むダイドコロ空間が展開する。
建築年代が古いにも関わらず、番屋建築の特徴がよく顕れた建物である。



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2008.07.05/記