日本の佇まい

INDEXに戻る 旧岡田家煉瓦蔵


所在地:
寿都郡寿都町
字歌棄町種前

竣工:
1980年代

備考:
非公開

写真1:外観


※1
下記参考文献欄参照

※2
棟と直角の側面を建物の正面とする形式

※3
妻入形式は、主に道南地方に広く分布する。
但し、旧岡田家煉瓦蔵が建つ寿都より積丹半島を挟んで北側に位置する古平町にも、妻入り切妻屋根で構成された旧八反田家番屋が建っている。
水産加工工場に転用され外観は著しく改変されているが、旧態の切妻屋根のボリュームはかろうじて遺されている。

写真4:
旧八反田家番屋

二つの煉瓦蔵が少し距離をあけて建てられている。 この微妙な離隔は、かつてその間に主屋である番屋が建っていたことによって生じている。
資料※1によると、妻入形式※2の切妻屋根の番屋であったということなので、この地域では珍しい形態である※3
表情の異なる煉瓦蔵を両袖に従えて主屋が鎮座する様は、豪壮なものであったと想像される。 主屋無き現状においても、この二つの蔵の微妙な距離感が、かつての繁栄を悠然と物語る・・・。 そのように風景を解釈することも可能ではないだろうか。


写真2

写真3

写真1の奥の方に建つ蔵を妻面から観たのが写真2にある。 蔵の右手に段丘、左側に海が見える。 海と崖の間の狭小な敷地に建てられているという状況は、別項の旧白鳥家番屋(浜益)等とも同じ。
海に面する正面側はアーチを施した開口部が並び、洋風の要素が窺える。 主に漁具の収容に使われていた。
一方、写真1の手前側に建つ蔵を別の角度から観たのが、写真3。 煉瓦造でありながら和風のイメージがあるのは、開口部などのディテールによるものであろうか。 貴重品を収蔵する用途に使われていた。

鰊漁家建築は、その主要施設である番屋と、それに付属する蔵等の施設を含めた群体としての景観に特徴がある。 従って、このような付属棟のみの遺構も貴重な存在だ。



参考文献:
建造物緊急保存調査報告書第13集<北海道教育委員会>

2006.07.22/記
2007.01.20/レイアウト変更