日本の佇まい

INDEXに戻る ニシン漁家建築:佐藤家住宅


所在地:
寿都郡寿都町
字歌棄町有戸

竣工:
1877年〜1887年頃

規模:
1階;580.9平米
2階;169.3平米
土蔵:49.6平米

特記:
北海道指定有形文化財

現況:
非公開

写真1:外観


※1
写真2
トップライト詳細

写真には映っていないが、このトップライトの背後には和風のケムリダシも設置されている。

間口13間半(約24.5m)の堂々とした外観を日本海に向ける形で建つ。
1階部分は、開口部に繊細な竪繁格子が連なり、戸袋部分は簓子下見板張りで仕上げられる等、和風を基調とした表現になっている。 対して2階は、ペディメント付きの上げ下げ窓を並べ、軒先を蛇腹にした洋風デザインを採用している。 更に、屋根の中央には六角形の平面を持つトップライトを載冠し、和洋が折衷された特徴的な外観を形成している※1

屋内は、1階中央に「ジョウイ」と呼ばれる大広間が設けられている。
このジョウイの上部は豪壮な吹抜けとなっている。 通常の古民家の吹抜けは、天井板を省いて屋根裏の構造体(小屋組)を見せるパターンが多い。 しかし佐藤家の場合は、その小屋組すら排除され完全に屋根面まで吹抜けている。 そしてその頂部中央には、外観の特徴となっている六角形のトップライトが配置されており、自然光が降り注ぐのだ。 日本の民家には珍しい垂直性が意識された内部空間といえる。

この住宅には、傭漁夫の宿泊スペースが無い。 番屋ではなく網元の住まいという性格が強く、「ニシン番屋の概要」の項で示した「ニシン番屋の一般的な構成」の概念図には該当しないプランとなっている 。



参考文献:
建造物緊急保存調査報告書第13集<北海道教育委員会>

2006.07.08/記
2007.01.20/レイアウト変更