日本の佇まい
国内の様々な建築について徒然に記したサイトです |
|||||
■
|
INDEXに戻る |
建築外構造物
階段跡 |
|||
所在地:
東京都新宿区市谷 |
東京の都心部は激しい起伏を伴う地形が意外と多い。 そしてその高低差を処理する土木構造物を観て歩くこともなかなか楽しい。 写真は、そんな散策のさなかに見つけた光景。
明らかに昇降の用途に供する階段の形態を持つと視認され得るコンクリート製の構造体が、その段床を複雑に絡ませながら築造されている。
あるいはそれは、巨大なコンクリート製の躯体を斫って階段状の形態を刳り出したかの様にも見える。
そう、まるで採石場の一部を見ているが如くだ。
ここに確認される階段状の構造体は、恐らくはかつてこの場所に建っていた建物(ないしは建物群)と何らかの関係を持ちながら、その時々の機能的要請に基づき段階的に作られ形成されたものなのであろう。
それがどの様な用途の建物で、更にはどの様な形で建っていたのか。
更にはその建物とこの階段状構造体の関係や、その形態に纏わる機能的背景が如何なるものであったのか。 |
|||||
|
||||||
写真2:
|
||||||
写真3:
|
||||||
何らかの関係を持っていた筈の対象が滅失することで本来の機能を絶たれた構造体が、それでもなおその場に残存し続けること。
それによって、そこに在る形象が本来の目的とは異なる形の力学を発動し始める。
機能的要請に純粋に従って築造されたのであろうこの構造体の群形は、所与の意図とは切り離された美しさを既にそこに胚胎している。 |
||||||
|
|
|||||
■
|
INDEXに戻る |
2016.03.26/記 |