日本の佇まい
国内の様々な建築について徒然に記したサイトです |
|||||
■
|
INDEXに戻る |
建築外構造物
万年塀 |
|||
※1:
プレコン式組立てコンクリート造の概念図* |
国内における鉄筋コンクリート系プレハブ住宅の歴史を調べていると、万年塀の記述が時折目に留まる。 理由は、そのルーツが双方とも同じである可能性が高いとされているため。
鉄筋コンクリート系プレハブは、構造体を形成するパーツを標準化し予め工場で大量生産するプレキャストコンクリート構法の開発の歴史でもある。
その歴史を遡ると、昭和初期に伊藤為吉が発表した「組立混凝石建築」に辿り着くのだそうだ。
一方、同じく「組立混凝石建築」を基に工法が編み出されたと思しき万年塀の方は、その後外構部材として建物用途に拠らず広く用いられることとなった。
万年塀の施工高さは一般的にはちょうど大人の目線よりも少し上。
従って、道路や隣地からは敷地内を窺い知ることが出来ないものが殆ど。
多くの万年塀が、侵入抑止やプライバシー確保を目的としたし、あるいは敷地境界における外構の設え自体がその様なものとかつては捉えられていた。 ところで、閉鎖的という印象の当該外構部材も、事例を観て廻るとそれなりに多彩な表情を持つことに気づく。 例えば以下の画像の様に、板状のパーツに様々な形状の孔を穿ったものだ。 |
|||||
主には通風の機能獲得が目的であろう。
しかしその形態操作に意匠性を持たせることで、例えばそこはかとなく和の表情を醸し出したものも見受けられる。 |
||||||
|
|
|||||
■
|
INDEXに戻る |
*:引用した図版の出典 コンクリートブロック造及び軽量コンクリート造 <竹山謙三郎,浅野新一,平賀謙一/共立出版社(1952.1)> 2016.02.20/記 2020.05.02/文章加筆・調整,画像追加・差替 |