日本の佇まい
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建築外構造物
行徳可動堰
所在地:
千葉県市川市行徳地先

用途:
橋+河口堰

竣工:
1957年3月


写真1:

江戸川放水路の河口から約3.2km遡った地点に架けられている行徳橋の橋脚と一体になって計画された可動堰である。
平常時は堰は閉鎖されており、海水の溯上防止と水位の保持による首都圏の生活用水確保として機能。 洪水時のみ堰が開放され、河川の洪水を流下させる。

長さ422.35mの橋梁のほぼ中央に四本の堰柱が配置され、その間にゲートが設けられている。
それぞれの堰柱の両端は、円形をなす。 恐らくは水流の乱れを低減させることに配慮したものだろう。
全ての堰柱の上流側上部には、管理施設がオーバーハングして載せられている。 その管理部分も同様に河川の上流側に向けて円形平面をなし、その曲面に沿って穿たれた開口部は、監視のために広い視野を確保して河川を凝視しているかのように見える。 あたかも要塞の如き風貌だ。 あるいは四機の艦艇が上流に向け今にも進軍を開始しそうな動的な形態とも言えようか。


写真2:遠景

河川という壮大な自然に拮抗した力強い形態を伴ったコンクリートの量塊は、半世紀以上にわたって地域の安全を確保すべく、その場に鎮座し続けて来た。



2008.04.19/記