日本の佇まい
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建築外構造物
旧古平橋
所在地:
北海道古平郡古平町

用途:


備考:
現存せず

※1
写真2
航空画像*

左下が現在の古平橋。
河口部分に橋脚跡が確認できる。


※2
2006年5月に再度この地を訪ねた時点では、既にこの橋脚も滅失していた。
根元部分が幾つか、川面に洗われる様に残存するのみとなっていた。


写真1:橋脚の連なり

積丹半島の北東側に位置する古平町を流れる古平川の河口に、橋脚のみが遺された橋の跡が在る。
現在、これより100mほど内陸側に国道229号線の橋が架けられている。 この橋の開通をもって橋桁が除却されたのか、あるいはそれ以外の事情によるものなのかは判らない。 しかしこの橋の廃止により、国道と平行して通る海岸沿いの旧道は、河川により分断された状態となっている。
国土情報ウェブマッピングシステムに登録されている航空写真で確認すると、1976年時点で既に橋脚のみとなっていることが確認できる※1。 また、通行の用途に供していた頃の昭和20年代後半の写真によると、橋桁は木造。 更に橋脚も、橋の両端のものは木造であったようだ。
その橋桁を外されて橋としての用途を失い、風化したコンクリートの塊となった橋脚の連なり。 そこには何やら、既に遺跡のような佇まいが漂っている※2

橋脚のみの連なりというのは、珍しい光景ではない。 廃線のルート上に遺棄された橋脚や、建設途上の高速道路の橋脚等、全国津々浦々でそのような風景を確認することが出来る。
いずれも、建築では獲得しえぬ並々なら強度を放ちながら、重力や自然に拮抗して堂々と存在しているように思う。



引用した図版の出典:
* 航空画像:国土画像情報(カラー空中写真)<国土交通省>
(一部加筆)

2007.12.01/記