日本の佇まい
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建築外構造物
無煙浜の廃屋
所在地:
北海道石狩市

※1
この無煙浜を北上すると、望来(もうらい)という美しい名前の集落に至る。

※2
写真1の背後の段丘には、ノジュールとよばれる球形の岩塊が散在する。 そのほかにも、石油滲出地や河口湿地など、単なる茫漠とした風景のみではなく、様々な要素を見出すことが出来る不思議な場所だ。

※3
写真3

写真1,2を撮影した十一年後の状況。 殆ど原型を留めない状況となっている。

石狩川の河口の北側に「無煙(むえん)」という物寂しい名称の浜辺がある。
名前だけでなく、実際の風景も荒蕪地が広がる侘しい場所だ。
北海道によくあるアイヌ語を由来とする地名だそうだが、人煙途切れるという雰囲気と地名が妙に符合している※1
そんな浜辺※2の一角に、この小さな廃屋が佇む。


写真1:外観1

少し状況が特殊なのは、屋根であった部分に材木を叉首構造的に組んだ寄棟風のシルエットが形成されていることだ。
恐らくは完全に落ちた屋根の上に人為的に付け加えられたものであろう。
何処の誰が手を加えたのかは知る由もないが、なかなか洒落た計らいである。
手前に見える梯子状のものは煙突を支えるために設けられたもので、これは後補ではないと思われる。


写真2:外観2。背後に海が見える。



2007.07.07/記