日本の佇まい
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北の古民家
本間合名会社
所在地:
函館市末広町

建築年:
1917年頃

写真1:外観


瓦葺き黒漆喰壁の堂々とした建物。
交差点の角に建ち、その隅角部分を三階建てとすることで、ランドマーク性を獲得していた。

建築を観ることを目的にこの地を初めて巡ったのは、1987年の8月下旬。
その際、この建物に関する事前の知識は無かった。
末広地区を散策中、通りの遠方にこの建物を見つけ、吸い寄せられる様に歩み寄って撮ったのが写真1。

資料によると、1988年7月に取り壊されたとある。
この写真はその約一年前に撮ったことになるが、既に正面右手の方は仮囲いが設置されている。
右手が途中で切れてしまっているが、ファサードの半分が仮囲いに覆われていたから、かなり間口が広いことになる。
そして、左側の側面奥の煉瓦蔵も同建築物の付属施設。
だから、結構大きな建物ということになる。
巨大であるため、建物の中央には中庭が設けられており、内側の諸室への採光の用途に供している。

各層に載せられた瓦や黒漆喰の壁は和風の要素であるが、縦長の上げ下げ窓を納めた開口部が連なる様は洋風の扱い。
そんな折衷性が、周辺に散在する擬洋風民家との連続性を醸成していた。



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参考文献:
函館のまちなみ<函館の歴史的風土を守る会>

2010.03.06/記