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北の古民家
ヴォールトの長屋
所在地:
留萌市

写真1:外観


ヴォールトを意識したと思われる屋根形状が特徴だ。 とはいっても、連続した曲面で構成されている訳ではなく、多段勾配屋根で円を近似している。 つまり、むしろ腰折れ屋根に近いという見方もあるかもしれない。
破風板の頂部が水平になっているのも、より連続的な曲線のイメージを表現するためであろうか。 この箇所は寄棟になっている。
その形態を踏襲するかの如く、一階の両端に突出する玄関部分の屋根も、切妻の頂部のみを寄棟にした袴腰形式だ。

そんな屋根構成の中に配置される開口部が厳格に左右対称なのは、二軒長屋であるため。
一階部分は、半紙版ガラスを用いた引違い窓で、系統としては和風。 対して二階は竪桟を吹寄せに組んだ洋風の上げ下げ窓。
ここでも、上下階で和洋を積層させるディテールが確認できる。

外壁全体は、トタン板で覆われている。
これが経年による補修であるならば、オリジナルが如何なる意匠であったのか。 開口部と同様、和洋を折衷させた壁面構成だったとするならば、面白い。



INDEXに戻る 2009.06.20/記