日本の佇まい
国内の様々な建築について徒然に記したサイトです
町並み紀行
建築探訪
建築の側面
建築外構造物
ニシン漁家建築
住宅メーカーの住宅
間取り逍遥
 
INDEXに戻る
北の古民家
美国の民家
所在地:
積丹郡積丹町
美国字船澗

写真1:外観


写真2:

玄関廻り詳細。
波濤をモチーフにした浮き彫りであろうか。
凝ったしつらえのささやかな配置が、住宅に風格を与えている。

切妻・妻入形式の住宅。

二階部分は、二つ設けられた上げ下げ形式の窓により洋風の意匠。 それぞれの窓には、半紙判のガラスが横三枚、竪二枚納まっている。 かつて「六枚入り」と呼ばれていた規格サイズの窓で、道内の多くの古民家で確認するされるものだ。

一階部分は、若干の下屋を出し、その軒裏に1尺ピッチで垂木が並ぶ。 更に漆喰塗りの小壁を介して、その下に引違い窓が並ぶ。 この辺りは和風の要素として分類されよう。
しかし、使われているガラスは、二階の洋風窓と同じ半紙判である。 ガラス及び格子に同一のモジュールが採用されているため、開き勝手や大きさが異なっているにも関わらず、異質な感じは無い。
和と洋が巧みに折衷されている。

玄関の右袖には浮き彫りを施した持ち送り部材が取り付けられている。 本来は庇を支える構造材なのだろうが、むしろ玄関の構えとしての装飾としての要素が強い。
さりげなく施された小さな贅沢に、施主や施工者のセンスが窺える。



INDEXに戻る 2008.08.08/記