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外泊
場所:
愛媛県南宇和郡愛南町外泊

写真1:集落の高所より豊後水道を望む


豊後水道に面した北向きの急峻な傾斜地に雛壇状に集落が形成されている。
季節風や高潮を避けるため、各敷地には住宅の軒先程度の高さまで石を積んだ塀が巡らされている。
従って、集落を下から見上げると、石垣と住戸の屋根が交互に折り重なる独特の景観を確認することが出来る(写真2※1)。
この石垣は、敷地を造成する際に掘り出された石を丹念に積みあげたものであるという。
平地が少ないため、宅地のみならず集落を取り囲むように造成された畑や墓地も石垣による雛壇状の造成が施されている。
集落内に足を踏み入れると、高さ数メートルに及ぶ石垣が狭い路地の両側に立ち上がり、それに急勾配の傾斜が加わることで、迷路のような様相が伺える(写真3※2)。
しかし、実際の路地の配置は比較的整形な格子状になっている。

あいにく、私が訪ねた時は土砂降りの大雨という天候であった。
しかし、雨にぬれて湿度を帯びた石垣や瓦屋根が織り成す景観もまた風情のあるものであった。
晴れていれば、石垣の合間に豊後水道が見え隠れする傾斜地漁村集落ならではの景観を楽しむことが出来るのであろう。


写真2
漁港からの見上げ

写真3
集落の中。 急勾配の路地と高い石垣が迷路性を形成。


INDEXに戻る 2008.02.08/記