日本の佇まい
国内の様々な建築について徒然に記したサイトです |
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町並み紀行
長岡市摂田屋 |
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場所:
新潟県長岡市 摂田屋 |
JR長岡駅の一つ南隣の宮内駅に降り立ち、旧国道17号線との交差点を右側に折れ曲がる。
すると、雁木が連なる町並みがひらける。
かつては三国街道と北陸街道の結節点として栄えた、摂田屋(せったや)と呼ばれる地区だ。
で、同市を離れてから暫く経ったある日、鏝絵に関する本を読んでいて、とある蔵に釘付けになる。
そのファサードの殆どに鏝絵をまとった派手な蔵。
それが、機那サフラン酒製造本舗土蔵であった。
美しいとか素晴らしいという以前に、凄まじいとか鬼気迫るといった表現の方が適切な、その装飾群が織り成す造形は一体どうしたことだろう。
同酒蔵を後にし、周囲を見回して再び驚くこととなった。 |
左の写真:
機那サフラン酒製造本舗の外観 下の写真: 同建物の玄関直上に掲げられた看板 |
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左の写真:
機那サフラン酒製造本舗土蔵の北側立面 下の写真: 同土蔵の東側立面見上げ 上の写真: 同エリア内の土蔵の一つ。このような蔵が点在する。 |
※1:
ゲーブルを力強く立ち上げた二階道路側立面には、櫛形ペディメントを冠した縦長の上げ下げ窓がシンメトリーに並び、その腰部分に楕円のメダイヨンがあしらわれている。 訪ねた当時は、オンヨネ叶ロ田屋工場として使われていたが、現存しない。 上組村信用組合として建てられたのち、宮内町自治警察、宮内農協金融部、そしてオンヨネの工場と転用されたそうだ。 用途を変えつつ長年に亘って様々に活用され続けたのは、そのファサードの意匠性に拠るところが大きかったのかもしれない。
※2:
写真は、「秋山孝ポスター美術館長岡」に改修される以前の南側立面。 現況も、この旧態をしっかりと残している。 |
そんな通り沿いに挿入された洋風近代建築の旧上組村信用組合※1(左下写真)や旧北越銀行宮内支店※2(同右側)。 更には、サフラン酒製造本舗の土蔵以外にも点在する蔵等々。
視覚とは面白いものだ。
興味が無い頃は、少々古びた場所といった程度の印象しか持ち得なかった町並みが、接し方によって全く異なる風景に見えてくる。
中越地震が発生した翌年の春先、久々に同地を訪ねた。 |
上の写真:
同エリアの通り沿いの風景。 雁木と、そして妻面を道路側に向けた家並みが点在する。 左下の写真: 雁木通り沿いの様子。 |
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2013.07.20/記
参考文献:新潟県の近代建築<明田川敏夫/米山勇> |