筑波山の西麓に位置する。
以前は、筑波鉄道の真壁駅があったが、この路線は1987年に廃止。 駅舎の跡には公園が整備されている。

概ね１km四方に渡って広がる町並みは、中世以来の町割りを踏襲。 初期の街区形成時から道路幅が広く計画されていたため、現在の車社会にあっても道路拡幅を要さなかったことが、歴史的町並みの維持を可能にした理由の一つになっているという。

町中にある造り酒屋の店先で、醸造に用いている地下水を試飲させていた。 筑波山系の地質の多くを形成する花崗岩を透過してもたらされる伏流水なのであろうが、とても美味しい水だ。
水に恵まれていることも、昔から町が栄えてきた要因であろう。

町並みが維持されている理由はそれだけではない。 この地に住む方々の、町並みに対する意識が非常に高いのだ。
古い建物の保存に積極的で、国の有形文化財※1に登録されている建物は、集落内で百以上にのぼる。 一つの集落としては出色の登録数だ。
そして、町の中心部に位置する旧真壁郵便局※2は観光案内施設として公開されており、町並みを紹介したリーフレットが幾種類か置かれている。 更には、「真壁町並み案内ボランティア」が組織され、集落内の案内も行われている。

この様に、歴史的な町並みの保全や活用に対して様々な施策をとりつつ、他の多くの地域で見受けられるようなテーマパーク的様態に陥ることなく、自然な景観が現代の生活の中にしっかりと息づいている。