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町並み紀行
茂田井
場所:
長野県佐久市茂田井

写真1:

※1
間の宿(あいのしゅく)。
宿場どうし間の経路が長距離であったり難路の場合等に、その間に整備された副次的な宿場。

中山道の望月宿と芦田宿の中間に設けられた間の宿※1。 ずば抜けて古い歴史的建造物で町並みが形成されている訳ではないが、ある程度の時を経た建物による風景が、起伏を伴う道路沿いに連なる。

整った町並みが残されている主な理由は二つ。
一つは、周辺地域を結ぶ幹線道路である国道が、集落の中心を外れる形で整備されたこと。 車社会の進展と歴史的な町並みの消滅は表裏一体である。 車による通行の利便性を最優先させるための幅員拡張や直線化といった道路整備により、旧来の町並みがことごとく排除される事例は全国津々浦々事欠くことがない。
茂田井では、それが集落の中心から外れて整備されたため、開発による破壊から景観が守られることになった。


写真2:

写真3:
もう一つは、歴史のある二つの造り酒屋、武重酒造と大澤酒造の存在。
両社とも、昔ながらの古い建物を使用し続けている。 長い歴史の中で建物内に棲み着いてきた様々な菌が、酒の仕上がりに微妙な影響を与えているので、施設の建て替えを行うつもりは無いと、大澤酒造の方が話していた。 建物を大切に使い続ける精神が、周囲の町並みにも影響を与えているのかも知れない。


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