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町並み紀行
金屋町
場所:
富山県高岡市金屋町

写真1


中世頃から産業集落として発展した、高岡鋳物発祥の地。 繊細な竪繁格子を纏った切妻造平入りの民家が約0.5kmにわたって軒を連ねる町並みが特徴である。
路面に施された御影石の乱張りによる石畳は、「金屋町通り路面整備事業」の一環として近年施されたもの。 同事業ではこの他にも、電線類の地中埋設やレトロな雰囲気の街灯の設置等も実施された。
これ以上修景の手を加えるとテーマパーク的な様相に陥りそうなぎりぎりのところで、何とか情緒が保たれているといったところ。

家々は旧態が良く維持されており、そしてそのディテールはほぼ同質のもので統一されている。 そんな整った景観の中で、下屋庇には多様性が見受けられる。
瓦葺き、こけら葺き、板葺き等々。 板葺きに関しては、単層のものと二枚重ねのものがある。
そんな微細な差異が、町並みに深みを与える。



写真2:
繊細な竪繁格子の連なり
写真3:
うだつを挟んで左の民家の下屋は板葺き。右の民家はこけら葺き。
訪ねた日は、ちょうどこの地で開催される「御印祭」と呼ばれる伝統行事の初日。 通りに面した家々には藍染の幔幕が飾り付けられ、普段とは違った風景を造り出していた。


INDEXに戻る 2010.08.21/記