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間取り逍遥
集合住宅.36:1.5層空間に組み込まれた3種のフロア

物件データ

構造:
RC造10F/B1F

築年月:
2023年12月

専有面積:
43.84平米

バルコニー面積:
11.34平米

近年、戸建て住宅において平屋建てのニーズが多様な広がりを見せている。 旧来、対象となるマーケットはシニア層を中心としていたが、それが若年層や少人数世帯等に拡大。 そして平屋建てといっても、フロア構成は単純な一層のフラットなものに留まらない。 屋根勾配を活かしてロフトを設けたもの。 あるいは一部居室をスキップフロアとし、その直下に大型収納庫を配し且つ他室と連携させた事例等が散見されるようになった。
これは、平屋でありながらもフロア段差の導入によって暮らしにメリハリを設けたり、あるいは空間構成に変化を出そうとする工夫の一環であろう。 住宅メーカー各社においても、その様な念頭のもと、商品開発及びラインアップの充実が図られている。

板状片廊下型集合住宅の枠組みで同様の組み立てを指向したのが当該プランになる。


平面図

階高を通常よりもやや高く設定。 豊かな天井高を持つリビングルームを設け、そこに同じフロアレベルで高さ半層分程度の大型収納を接続。 当該収納は、廊下側にも出入り口を設けて双方からのアクセスを可能とし、活用の幅を広げている。 その直上に居室を重ね、階段7段分のレベル差を付けながらリビングルームと連携。 その居室から更に数段階段を昇り、玄関ホール及び洗面室の直上に位置するロフトに至る。 このロフトもリビングルームと横桟手摺を介し連携している。
即ち、リビングルームと居室とロフトは、個々に異なる天井高と異なるフロアレベルが設定されつつ一つの空間として繋がっている。 連携によって狭隘な住戸内に視覚的な広がりを演出しながら、レベル差によってそれぞれの独立性も獲得。
メゾネット住戸の様に、複数(概ね二層)にまたがる容積を確保せずとも、豊かな階高のもとにスキップフロアの導入によって変化に富んだ住空間が生成された。



 
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2024.01.20/記