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間取り逍遥
戸建住宅.11:折れ線上の分化

物件データ

構造:
木造3F

築年月:
2009年

敷地面積:
48.10平米

延床面積:
76.06平米


3階平面図

2階平面図

1階平面図

狭小地に建つ三階建てミニ戸建の諸室配置は、ほぼ定型化されている。
つまり、一階に玄関と水廻り、そして個室(または納戸部屋)が一つ。 場合によってはインナーガレ−ジが組み込まれる。
二階はLDK。面積に余裕が有れば個室が一つ追加される。 階段室が廊下を介さずにLDKに直接面する場合が多く、LDKが垂直動線の中に組み込まれる場合が殆ど。
そして三階に個室が二つか三つ配置されるが、北側斜線制限等々の法規制から壁面が傾斜する等、不整形な形態である場合が多い。

概ねこの構成のもと、あとは個別の条件に拠って調整が入る。 例えば、別途掲載している戸建て物件No.08もこの構成に則っている。

そして、ここに提示した事例も然り。
但し、趣きを少々異にしているのは、途中で折れ曲がっていること。 恐らくはこの外形そのままの旗竿型の敷地形状なのであろう。 この折れ曲がった箇所で屋内用途が分化しているところが、他の三階建てミニ戸建と異なるところ。 例えば、二階はリビングダイニングルームとキッチン。 三階は個室とバルコニーという具合。 一階に関しては、浴室が一部食い込んでいるものの、概ね折れ線上で居室と非居室(水廻りと玄関、階段)に機能が分化している。

“旗”の部分に当たる敷地が狭小であるため、私道である“棹”部分の一部にまで一間幅で建物が浸蝕する形となった折れ曲りプラン。 一間幅部分は居室は成立しないため、非居室用途の配置にあてがわれる。 結果、折れ線に沿って居室と非居室が分化する間取りが誕生した。
二階のリビングダイニング部分は、角度が振れた細長いキッチンが取りつくことで視線が対角上に延伸。 視界に変化が生じ、実際の面積以上の広がり感が享受できるかもしれぬ。



2014.06.21/記