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間取り逍遥
戸建住宅.10:中二階のある家

物件データ

構造:
木造2F

築年:
1976年

敷地面積:
134.85平米

延床面積:
138.59平米
一階でも二階でもないフロアを、階高を抑えた空間と組み合わせて家の中に設けた形式。 それが中二階を設けた間取りということになる。
今日において、この階高を抑えた空間は納戸スペースである場合が圧倒的に多い。 納戸は、専ら収納の用途に供するスペースとして、通常の居室と同様の天井高を確保する必然性は無い。 そのため、階高を抑えた当該部位を住宅内に組み込んでフロア構成に変化をもたらす。 この場合、この納戸部分の直上居室を中二階として扱われる場合もあれば、当該スペースを中二階として一階と二階の間に設ける場合もある。
一方、かつて中二階と言えば、インナーガレージと組み合わせる場合が殆どであった。 車庫部分は、納戸と同様に一般的な居室と同様の天井高を要しない。 この車庫部分の階高を抑え、その直上に中二階として居室を配置。 折り返し階段の中踊り場部分に面して当該居室の出入口を設けるパターン。

一階平面図:

二階平面図:
ここに掲げた中二階の事例は、そんなインナーガレージとの組み合わせタイプ。 ガレージ直上には和室を配置している。
パブリックゾーンとして纏められた一階にも、プライベートゾーンとしてまとめられた二階にも属さぬ第三の空間としての中二階。 そこに設けられたこの和室は、独立性の高い落ち着いた空間として客間や書斎として有用であろう。
更に、サニタリースペースも中二階に配置し、直下をユーティリティとしている。 この間取りの場合、サニタリースペースは素直に一階部分に計画することも可能だ。 敢えて中二階に持ってきたのは、直下にユーティリティを配置してキッチンと連携させたかったこと。 更にはガレージからキッチンに至る動線を確保したかったことにあるのだろう。
結果として、一階には大きな環状の動線が確保された。


2014.02.08/記