日本の佇まい
国内の様々な建築について徒然に記したサイトです |
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住宅メーカーの住宅
工業化せがい造り:三井木材工業 Hiハウス |
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1.二階建てへの挑戦 | ||||||
プレハブ住宅の草創期、各社から発表されていたモデルは、いずれも平屋建てであった。
業界で初めて二階建てを商品化したのは、これも積水ハウス。 |
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2.デザイン性を持つ総二階 | ||||||
※1:
写真2:*2 ミサワホームO型外観 |
こういった状況下にあって、1964年に発表された三井木材工業のHiハウスは、総二階でありながらもデザイン性に優れたモデルとして興味深い。
今でこそ、上下階の面積が同じという総二階造りは珍しいことではない。
しかし、当時においては冒険であった。
Hiハウスは、このO型の成功に遡ること十年前に、同様にオーバーハングを用いて優れたデザインの総二階建て住宅を実現したモデルだ。
形態的には、全国各地の町家や旅籠に見受けられるせがい造りを連想させる。
なるほど、日本には総二階ないしは総二階的な住宅のデザイン手法が古来から醸成されていたのだ。 |
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3.工業化とブランディング | ||||||
ところで、このモデルに採用された工法を工業化住宅という範疇に組み入れられるかは、実は少々微妙だ。
あらかじめ大量生産した部材を用いて住宅を作るというプレハブ住宅の定義からすれば、確かにプレハブの範疇なのかもしれぬが、しかしそれでは在来軸組木造で一般化されているプレカットだってプレハブリケーションということになってしまう。
いや、既にプレハブ−非プレハブという分類自体が意味を持たなくなりつつあるのかもしれない。
しかし、工業化の度合いで分けるとするならば、少なくともユニット工法と同等とは言いがたい。 |
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写真3:*1 玄関廻り外観 |
写真4:*1 ダイニングキッチン内観 |
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同社では、この工法を採用した住宅を事業展開するに当たり、当時の木質構造の第一人者である横浜国立大学教授の飯塚五郎蔵に設計監修を依頼していた。 日本における住宅産業の興隆期において、その当時の住宅市場の中では特異なモデルが商品化された。 |
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引用した図版の出典:
*1:三井木材工業 *2:ミサワホーム 2011.08.21/記 |