日本の佇まい
国内の様々な建築について徒然に記したサイトです
町並み紀行
建築探訪
建築の側面
建築外構造物
ニシン漁家建築
北の古民家
住宅メーカーの住宅
間取り逍遥
 
INDEXに戻る
住まいの履歴
3番目の家:1975年〜1987年3月

概念図
※1
残されていた万年塀

十代の殆どを過ごした家になる。 2番目の家のすぐそばに建っていた。 同じく1963年頃の建築で、これも賃貸住宅である。
狭い家の割りには敷地が100坪以上と比較的余裕があった。 以前入居していた人が庭木の手入れを趣味としていたらしく、南面の庭にはコブシや赤松,柳,ブドウ等々、沢山の樹木が植えられていた。 ブドウの木は三本。 枯死寸前の状態であったが、凝り性の父がいろいろと本で調べて見事に再生した。 南面に大きくブドウ棚を設け、夏は心地よい日陰を作り出し、秋には相当量の収穫があった。

十代の殆どを過ごした家なので様々な思い出が詰まっているが、退居後まもなくして除却。 その後は十年以上にわたって更地になっていたが、今は瀟洒な家が新たに建っている。
風景はすっかり変わってしまったが、元の家の敷地境界全周を囲っていた万年塀(鉄筋コンクリート製の組立塀)が、高さを大幅に減じながらも部分的に残っている(写真1)※1。 かつてその場所に住んでいた記憶の物理的な痕跡として末永く残ってほしいと思うが、今は全く見知らぬ他人の所有物。 どうなるかは判らない。



2007.08.25/記