日本の佇まい
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建築の側面
東京都物件12:経年の一瞬の露光
規模:2階建て

用途:店舗+住居

写真1:外観
※1

写真2

隣接建物の除却により、凄まじい側面が露出した。

これは、限界集落の中に建つ廃墟ではない。 東京都心の一等地に建つ、撮影時点ではまだ営業を行っている店舗が入った現役の建物だ。
そんな建物の側面は、竣工してから現在に至るまで、殆どメンテナンスが施されることなく年月を経てきた様な印象。 勿論、補修部位はところどころに確認できる。 例えば、小波鋼板を張った箇所やアルミサッシに変えられた建具等々。
しかし、それらは応急措置に過ぎない。 狭隘な隣接建物との離隔が、抜本的な修繕を阻んだのであろう。
結果として、設計とか施工といった一瞬の人為では創出し得ぬ表情が、その側面に蓄積された。 それは、時間の経過のみが作り得るものである。

程なくして、この建物も除却された。 長い変容の時を経て醸成された側面が、その様相の全てを都市に向けて露呈し得たのは、ほんの僅かな時間であった。



2010.11.13/記