日本の佇まい
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建築の側面
東京都物件08:斜光線が刻む粗面
規模:8階建て

用途:事務所

写真1:外観

写真2:別アングル
右手に平滑なタイルで仕上げられた正面側のファサード。

隣接建物の除却により、8層分の巨大なコンクリート打放しの側面が露出した。
その打放し面は、杉板型枠のパターンが転写された荒々しいテクスチュアにより、斜め方向から降り注ぐ太陽光をざっくりとした陰影に置換している。 各層の不陸が微妙に異なることによって水平打継ぎ目地部分にもたらされる線状の陰影が、独特のリズム感と全体を引き締める効果を担っている。
更に、各層を不規則にたゆたうコールドジョイントの痕も、荒々しさを補完する。

合板や鋼製の型枠の一般化により、このようなざっくりとした質感のコンクリート打放し面は見かけなくなった。
タイル張り仕上げにより平滑で均質に仕上げられた道路側のファサードとの対比も面白い。



2008.02.23/記