日本の佇まい
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建築の側面
東京都物件01:分節と浸食の積層
規模:3階建て

用途:住宅

写真1:外観

側面ではなく、裏側の立面になる。
二階建ての矩形のボリュームに、切妻屋根の三階部分が載る構成。

一階は無色のモルタル仕上げ。 そして二階は明るいグレーの小波鋼板。
更に、一階よりも二階が少しオーバーハングしていることも確認出来る。 外装仕上げの違いとオーバーハングにより、一階と二階の境界は明瞭に分節されている。

一方、二階と三階部分は同面で連続している。 そして三階の緑色の塗装範囲が不定形であるため、二階との境界は曖昧だ。
更に、二階天端からは錆の筋が幾つも発生している。
徐々に浸食が進行する錆の筋と、同じく二階部分に浸食する様に仕上げられた塗装との重ね併せ。 自然現象と人為の痕跡という異なる次元ながらも「浸食」という共通性で括られる二つの要素の並置が、二階と三階の境界を曖昧化にしている。



2006.07.08/記