写真１のようなトリミングでは、スケール感を捉えにくいかもしれない。 実際の側面状況は写真２の通り。
もともと設置されていた外部階段が除却された痕跡と思われる。 上下の出入り口を塞いだトタン。階段本体や屋根を除却した後の補修のペイント。そして上部踊り場を支えていたのであろう柱の跡といった痕跡の各要素がいちいち全て異なるテクスチュアを与えられている。 そして明確に区分けされたそれらの要素が織りなすコンポジションが、なんとも美しい。

例えば、元々階段の屋根と壁であった部分と思われるエリアをわざわざ塗り分けている点。 更には、その角度が微妙にずれている点などは、取り付き形態から生じたものであろう。 しかし何とも巧まざる美しさを、そこに見出すことが出来る。