写真１の向かって右側が幹線道路に面した建物の正面方向になる。 その正面の濃灰色の仕上げが側面の一部(写真１の右側部分)に連続。 側面におけるこの濃灰色のエリアには窓が一つも無い。
そしてその左側に、経年で少々煤けた無塗装のコンクリート面が連続する。 側面の中央部分にあたるこのエリアには、小さな窓が左右対称に配置。
更には各階の窓の上部に換気口が水平に一列並んでいることも確認出来よう※1。 規則的で閉鎖的な構成が静的な印象を与える領域である。
更にその左側には白く塗装された壁面が連続。
この部分の塗装の塗り分けは、直線的に縁取られた右側の濃灰色部分とコンクリート素地面部分の境界とは異なりとても曖昧だ※2。
そしてこの白色エリアの窓は比較的大きい上に、左右で段違いが生じていて動的な印象を醸し出している。

このように、開口部の扱いが異なる領域ごとに塗装仕上げも変えられることで、一つの建物の立面に３種類の表情が連なる結果となっている。