日本の佇まい
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建築の側面
新潟県物件No.02:素材と要素の地層
規模:2階建て

用途:住宅+車庫

写真1:外観
※1
正式には、溶融亜鉛めっき鋼板。 いわゆる「トタン」のこと。

※2
一階が車庫、二階が住居という用途の構成から、このような対比が生じている。

※3

写真2:
立面詳細

下層がコンクリートブロック、上層が小波形状の鋼板※1で構成された二階建ての建物。
この一階と二階の間に、焦げ茶色の小波鋼板が帯状に取り付けられていることで、層状の建物構成が明瞭になると共に、外観にメリハリが与えられている。 更に、一階部分は無窓、二階は小さいながらも窓が並ぶという対比も、積層のイメージを補完する※2

低層部分は、その前面に隣地の駐車場のコンクリートブロック塀が密着するように設置されている。 同じ素材でありながらテクスチュアが異なるため、外壁と塀の組み合わせも層状の様相を呈していると言えよう。
写真2※3の様に斜め方向から建物を捉えると、より明確だ。

ちなみに、隣地のアスファルト舗装は鉄錆色をしている。 この地方では、降雪期に地下水を汲みあげて散水する「消雪パイプ」と呼ばれる融雪装置が、ほぼ全域の道路や駐車場等に設置されている。 その地下水に鉄分が多く含まれているため、散水を続けることで舗装面が鉄錆色に染色されるのだ。
地域性を示す色彩の一つと言えよう。

このアスファルト舗装と空を加えることで、この側面を6層構成の「地層」と見立てることも出来よう。



2006.07.08/記