日本の佇まい
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建築の側面
北陸物件02:多種要素の集合体
規模:2階建て

用途:店舗+住居

写真1:外観
写真2:
小京都と称される一地方都市の街中に立地する。
交通量の多い幹線道路の交差点を挟んだ向かい側には、市が保存建造物に指定した旧銀行建築が建つ。 ネオ・ルネサンス様式的な古典的意匠を配したその銀行建築に感化されたのであろうか。 今回紹介する側面物件の道路側のファサードは、石造風の彫りの深いクラシカルな装いを纏い、旧銀行との危うい景観的関連性を交差点の周囲にもたらしている。
ややセセッションがかったその意匠は、幹線道路側のみに特化したものであることが、その側面部分の状況によって露呈する。
他の事例と同様、隣接建物の除却によって露わになったその側面の在り様について、言葉の羅列を労する必要は全く無いだろう。 あまりにも多くの要素が乱雑に並置される状況は、端正な構成に意を払った道路側のファサードからは想像も出来ぬ佇まいだ。 あるいは、その落差にこそ味わいがある。
各箇所の生成過程について想いをめぐらせて見るのも面白そうだ。


2011.03.05/記