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大協石油竹芝橋給油所
旧所在地:
東京都港区芝浦2-12-5

写真1:外観


Y字路に挟まれた鋭角三角形の敷地に、敷地形状をそのまま立体格子モデルに置換したかの如き巨大な三角錐のフレームを屹立。 そのフレームを主要構造体として三角平面の建物ボリュームを三階レベルの中空に持ち上げる。 そして直下をピロティとし、背後に矩形の棟を配してガソリンスタンドの用途に供す。
建物の概略はそんなところ。 形態の決定に関わるキーワードに「三角」を用いることで、立地条件に呼応したこの場所ならではの建物が実現した。

特異な構造形式の採用によって、三階の内部空間は構造耐力とは切り離した自由な平面計画が可能。 また、その外壁面も帳壁であり、そこには水平連続窓が廻る。 更にピロティ形式が採用されている訳だから、あとは屋上庭園さえ設ければ、これはル・コルビュジエが提唱した近代建築の五原則をさり気なく取り込んだ建物ということになろうか。

そんなやや無理矢理な解釈も可能なこの建物は、Y字路を形成する幹線道路を疾走する車の中からも容易に遠方から視認することが可能であった。
実際、冒頭の写真は信号待ちで停止していた車中から撮ったもの。 撮影時点では、ガソリンスタンドではなく工場の用途に変更されていた。 そしてピロティ部分は、建物の原型とはなんら関連性を持たぬ増築棟によって塞がれていた。 しかしそれでも、過剰に肥大した構造体が視覚に訴える形態的な強度は尋常ならざるものがあった。
惜しむらくは、撮影していたのがこの一枚のみであったこと。 建物は既に除却。 今は、不等辺台形の平面を持つ店舗併設の集合住宅が建っている。



20187.04.07/記