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建築探訪
ベニア商会本社ビル
所在地:
東京都港区
新橋6丁目

建築年:
1962年

設計:
前川國男

規模:
地下1階地上7階建て

備考:
2011年除却

写真1:外観


※1
写真2
外観の見上げ。
反り上がる庇が折り重なった彫り深い表情が確認できる。
※2
写真3
庇と袖壁と柱の納り詳細
※3
写真4
一般階立面詳細

曲面を描きながら反り上がるコンクリート素地の分厚い庇が幾重にも連なる外観が特徴の事務所建築である(写真2)※1
そして、厚手のタイルで仕上げられた両脇の袖壁が、それらの庇を視覚的にバランス良く受け止める。
この基本フレームの中に、窓や柱が絶妙なプロポーションで配列されることで、端正で重厚感のある外観が造り出されている。

詳細を見てみよう。
外観を特徴づけている分厚い曲面庇とタイル仕上げの袖壁の間には、僅かに隙間が設けられている(写真3)※2
このように縁が切られることで陰影が生じ、お互いの納まりがシャープになる。
もしも、両者がくっついていたら野暮ったくなったであろう。
更に、重量感のある庇を視覚的にもしっかりと支えるべく、適切なプロポーションの柱が配置されている。
ちなみに、この柱の四隅は全て曲面加工が施されている。
更に、タイル仕上げの袖壁もその小口が曲面になっている。
重厚でありながらも温雅な表情が醸し出されているのは、このように曲面が多用されるためであろう。

更に一般階の外観立面を見てみよう(写真4)※3
前述した要素以外に、庇の上に設けられたフラワーボックスや、サッシの間に立つコンクリート製の方立にも曲面が採用されている。
更には、それらが絶妙な構成でレイアウトされ、美しいコンポジションを形成しているのだ。

この建物が完成してから二年後、同一設計者による同じデザイン手法により、紀伊国屋書店新宿本店が完成している。



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2006.07.08/記
2006.09.02/設計者名追記,写真1の画像差替