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建築探訪
豊島区の印刷工場
所在地:
東京都豊島区
池袋本町

現況:
現存せず

写真1:外観


※1
写真2
航空画像*

中央に見える「マ」の字を反転し90度回転させた様な形態の白い建物が当該建築。
鋸の歯の様なギザギザの部分は、法律上の建築制限から建物の上層部を斜めにカットした部分の構造体。
写真1は、この写真の左斜め上の方向から撮ったもの。


※2
外壁を、その外側から支えるつっかえ棒のような梁(飛梁)

池袋駅を下り方面の起点とする私鉄の線路敷きに面して建てられていた、印刷及び製本を業務とする会社の工場である。

敷地が不整形であるために、建物も複雑な形状となっている(写真2)※1
写真1の左端の方を観ると、その複雑な形状を補うためにフライングバットレス※2が設けられ、更に増築を想定したのか、梁の小口が等間隔に配列されている。
また、写真1の右側は線路敷きに直接面する部位であるが、あたかもレール敷設のために建物がバッサリ切断されたかの如く、梁やスラブなどの構造体が露わになり、格子状の陰影を外壁に刻んでいる。
構造体の外部への露出は、建物内部に凸部を無くし、出来る限り均質で無駄のない空間を確保するための方策なのかもしれないが、それにしても即物的である。
しかし、その即物的な様相が外観の特徴的な表情を形成することになっている。

現在この印刷会社は郊外へ移転。
建物は存在せず、敷地にはマンションが建っている。



INDEXに戻る 引用した図版の出典:
* 航空画像:国土画像情報(カラー空中写真)<国土交通省>

2007.08.05/記