日本の佇まい
国内の様々な建築について徒然に記したサイトです
町並み紀行
建築の側面
建築外構造物
ニシン漁家建築
北の古民家
住宅メーカーの住宅
間取り逍遥
 
INDEXに戻る
建築探訪
酒田市の搭状建物
所在地:
山形県酒田市

写真1:外観

写真2:外観


割烹料理店の和風の木造本棟に寄り添うように建てられた四階建ての搭状別棟。 目視からは、鉄筋コンクリート造と判断できよう。

やや菱形に変形した平面をなす塔状のボリュームには、隅角部にストライプを強調した柱型が配置される。 そして頂部で同様の意匠が梁として廻され、立面を三方枠で縁取るのと同時に、更にその上に載るパラペットと共に、建物の上端を引き締めている。
四階の窓の下にも水平に帯が通されているが、この部分には雷紋による装飾が施されている。 道路に面した立面は、この帯を挟んで下部三層と最上階で意匠が異なっている。 下部三層は中央にのみに開口を集中させた軸性の強い閉鎖的な構成。 特に二階と三階の開口部は、日本の伝統的な蔵の開口の意匠を連想させる。 一方で、最上階四階は窓が三連並ぶ開放的なデザイン。 いずれもペディメントを強調した洋風のディテールだ。

この開口部の配列から、下部三層と最上階で和洋のデザインを使い分けた和洋折衷の建物と解釈するのには難がある。 しかし、用途の異なるフロアを積層させたという印象はある。 例えば、下部三層は蔵の用途。 そして最上階は蔵座敷的な用途。
実際、写真2で確認できる最上階側面に穿たれた大きな開口からは最上川の河口、そしてその先に日本海が望める筈だ。 眺望に恵まれたこの空間の用途は何か。 あるいは、その眺望を求めてこの別棟が建てられたのか。 来歴は不明であるが、色々と推察が愉しめる建築だ。


写真3:
隅角部詳細。この二つの面は90度ではなく鈍角で接している。
壁面には一定間隔で水平化粧目地が設けられており、外観に組積造の様な雰囲気を与えている。

写真4:
背面側外観。建物背後に隣接する公園より撮影。
四階には片持ち形式の外部階段が矩折に廻り、屋上に昇ることが出来る。


2009.10.03/記