日本の佇まい
国内の様々な建築について徒然に記したサイトです |
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建築探訪
第3スカイビル(軍艦マンション) |
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所在地:
東京都新宿区 大久保1-1-10 建築年: 1970年 設計: 渡邊建築事務所 施工: 丸運建設 規模: 地上14階,地下1階 |
写真1:東側外観 |
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南北に長く東西に短い短冊形の敷地形状。
更には、南側のみ道路に接し、他の三方は隣地境界。
採光の恒久的な確保が可能な幅員の広い幹線道路に面する南側に、全ての居室の開口部を向けること。
そのために、極めて変則的な雁行状の平面形態が採用されたのであろう。
当然ながら、解法は他にも有り得る。 |
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写真2:
南東側外観。 手前の雁行形の白い建物は隣接する別の建物。 |
写真3:
南側外観見上げ。 隣接する同規模の建物との僅かな隙間に、南側に向けて開口を穿ったバルコニーが鱗の様に幾重にも並ぶ。 |
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にも関わらず、この異形さはどうだろう。
編み出されたプランに対し、それを実現するためのディテールの開発にも、過剰性が纏わり付いた。
こうなると、住戸プランもいわゆるマンション田の字と呼ばれる凡庸な形式に収まる訳がない。
あたかもフィッシュボーンの如く、住戸内に長大な廊下が設えられ、そこから分岐して連なる様に各居室が並ぶ。
ほぼ等しく南面採光を可能にした個室群住居。 |
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写真4:
屋上。 外観のポイントでも在る塔屋のみならず、外周の手摺内壁に施された意匠にも注目。 |
写真5:
住戸内から、バルコニーを介して外部を見る。 隣接建物との僅かな隙間から、南側への視線が辛うじて抜ける。 側面に等間隔に穿たれた小窓と相まって、昼間の室内は意外に明るい。 |
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2011年4月、シェアSOHO及びシェアハウスとして改修が施され、今に至る。
その異形さゆえに、新進の就業形態や生活様態に対応し得たこと。
果たして、40年前に設計者がそのことを予測出来ただろうか。
いや、この際その予測の有無はあまり意味を持たぬ。
異形を創出した尋常ならざる設計への拘りが、結果として有効活用を伴う建築の存続へと繋がった。
設計者冥利に尽きると言えるのだろう。 |
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2012.08.04/記 |