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建築探訪
タウンハウス中島
所在地:
新潟県長岡市
中島6丁目9番22号

建築年:
1977年3月

規模:
地上4階,35戸

図面1

画像2:基準階平面図

中央に配置された中庭を囲うように、雁行形に住戸が連なる。 その住戸群は、いずれも敷地境界に対して約45度の振れをもって計画されている。
東西南北それぞれの方角にほぼ沿う整形な敷地境界ラインに対し、全ての住戸をわざわざ雁行させ、更に角度を振った意図。 それは、敷地目一杯に住棟を配置しつつ、隣接する戸建住宅との間にバッファーゾーンを確保することを意図したためであろうか。
角度の振れによって、隣地に近接する既存の戸建住宅群とダイレクトに視線が錯綜する状況の緩和が期待されよう。
また、最下階住戸の前面には三角形の専用庭も確保されている。

四階建てとはいえ、周囲に広がる二階建て程度の戸建住宅群の只中に、それらのスケールを大きく上回る集合住宅が作られることに対する配慮。 あるいは、新たに建てられる集合住宅そのものの居住環境確保という意味において、有用な手立てであったのではないか。
そしてそのことにより、単に四角四面の住戸が無機的に積層される状況とは異なる様態を、この集合住宅に与えている。 つまり、単純な「マンション田の字」では無い変化に富んだ住戸プランの展開。 更には、条件によっては二面採光も可能にした居室の確保。
雁行型住戸配置は、自己日影の発生や建設コストが割高になる等のデメリットもある。 しかし、当該物件の与条件においては、それを上回るメリットの享受が可能なのであろう。



写真1:
北側外観。
正面やや左手に、共用エントランスが配置されている。
写真2:
西側外観。
45度に振れて雁行が連続する壁面が、隣接する戸建住宅に近接して連なる。
本来“タウンハウス”とは、隣戸と界壁のみを共有する接地性が高い長屋形式の共同住宅のことを指し、縦横に住戸が積層・連続する集合住宅形式は当てはまらない。
にも関わらず、それを館名に採用した理由。
そこには、単純な住戸の集合体ではないこの建物の特徴を示そうという意図が込められたのだろうか。


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