日本の佇まい
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建築探訪
三井化学大牟田工場・J工場
所在地:
福岡県大牟田市
浅牟田町30

建築年:
1938年

写真1:外観


※1
塔屋を含めると55mになる。

※2
このボーダーは水切りの機能も担うであろう。
窓面の汚れを含んだ雨水がその下部の外壁面に流れ落ち、汚れが筋になって染みついている建物を見かけることがある。 窓の下端の水切りが効果的に設けられていないか、あるいは機能していないためだ。
建物管理者のメンテナンスが良いのか、あるいはこのボーダーが水切り機構として効果的なのか、この外壁面はとても綺麗である。

写真1だけでは、その大きさを捉えにくい。 実際のところ、この建物は7階建てにも関わらず47mの高さを誇っている※1
一層あたりの階高が非常に高いのだ。 大雑把に言ってしまえば、一般建築物の2倍前後の階高である。

外観は、平滑な白い外壁面に水平方向に連続する開口部が積層するのみの簡素な構成。 そしてセットバック等を極力排した、ほぼ直方体の単純なボリューム。
この明快さがシンボリックな意匠を成立させ、大牟田市のランドマーク的な建物となっている。

詳細を観ると、各階の開口部の下端にボーダー※2が通っていることが判る(写真2)。 このボーダーが微細な陰影を平滑な壁面に刻み、横に連続する開口部によって表現される水平性を更に強調する。



写真2
写真3
この簡素な構成の外観の中に、異物のように外部鉄骨階段が二基設置されている。 踊り場間の踏み板の段数から、この建物の階高が通常とは異なることが認識できよう(写真3)。
この階段の影が簡素な構成の外壁面に落とし込まれることで、外観に表情が生まれている。


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2006.08.05/記
2007.01.20/レイアウト変更