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建築探訪
旧合同タクシービル
所在地:
栃木県宇都宮市
馬場通り4丁目

写真1:外観.1


※1
写真2:外観.2

宇都宮市街地のメインストリートにあたる「大通り」に面して建つ。
初めてこの建物を見かけた際に撮ったのが、左の写真2※1。 既に廃墟然とした様相を呈し、更には様々な看板が雑多に取り付いており、それはそれで味わい深い。
しかし、そんな派手な広告類に埋没する建物本来のガラスを多用したシンプルなファサードも、とても美しい。

その建物名称が示す通り、タクシー会社の社屋として建てられ、一部貸店舗を併設しながら供用されて来た様だ。
一階の殆どがピロティとなっているのは、その用途上、タクシーの駐車及び待機スペースを多く必要としたためであろうか。 その上部に、スチール枠にパテでガラスを固定した外装と極薄のスラブが軽やかに積層する。
建築年は判らぬが、竣工当時はとても斬新な建物として受け止められたのではないか。 満身創痍ながらも往時の新進さをそこはかとなく纏ったこの建物のことが心の片隅に引っ掛かりつつ暫し時が流れた。



写真3:外観.3
写真4:外装見上げ
で、再びこの地を訪ねた際、改めて当該建物を訪ねてみた。 すると、状況は写真1や3の通り。
看板の類いが殆ど取り外され、入居するテナントも僅か。 そしてそのファサードの殆どに外装材剥落防止用の養生ネットが張られていた。
これはひょっとすると建物全体の除却が近いのかもしれないなと思っていたら、2012年8月から約二カ月をかけて全面改修工事が実施され、建物は新たな用途を得ることとなった。
ガラスのファサードに替わり、壁面を強調した外装に改められ、元々の表情はその一部に痕跡を残すのみ。 しかし、既築建物が安易に除却されるのではなく、現在の法令に合致した適切な修繕を施し活用されることは好ましいことだ。
そして、経年と共に忘却に付されてしまうのであろうかつての建物の風貌をこの場にて記録に留めておくことも、それなりに意義はあろう。


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2014.03.08/記