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建築探訪
筑西市役所庁舎(旧下館市役所庁舎)
所在地:
茨城県筑西市
下中山732番地1

竣工:
1973年11月

規模:
4706.98平米
(竣工時)

写真1:外観


※1
筑西市第一分庁舎外観

竣工:1972年7月
もともと公民館と図書館の複合用途として建てられた。 最上階のオーバーハングや、モジュールを二分割した飾り柱の配列などに、市役所庁舎とのデザイン的な共通点が見出せる。
この写真には写っていないが、向かって右手の背後に筑西市役所庁舎が建つ。

※2
筑西市民会館正面部分外観

竣工:1964年11月
規模:2564平米

コンクリート打放しの庁舎建築。
中央より左側の一階と二階部分は、外壁面が柱フレームの背後に後退し、更にその殆どがガラス面となっている。 壁面の後退は、それによって造り出される軒下空間により、中間領域的な場を創出することを意図したのであろうか。 更にはその殆どをガラス面とするのも、内外に透過性と連続性を与えることで、市民に開かれた庁舎としての位置づけを具視化することを意図したのかもしれない。
この意匠操作によって柱の配列が陰影の中に浮き出るような効果がもたらされている。 いわば、列柱を強調したような構えだ。
そして、その上に横長の開口が連続するコンクリート壁面を持つ三階の外壁面が、列柱とほぼ同面で納まるように載せられている。 この層では、下層から伸びる柱の前面に二本の竪リブがつくことで、柱の存在は消される。 更にその上に、三階よりもオーバーハングした四階が積載。
つまり、徐々に迫り出すコンクリートの量塊を絶妙なプロポーションの列柱が支持するという構成が明瞭に表現された意匠でまとめられている(写真2)ことが判る。


写真2:正面見上げ

写真3:議場部分
スレンダーな柱で持ち上げられている

基本的には低層部分の柱間寸法を基本モジュールに、上層のディテールも決定されている。 三階部分は同じモジュールであるが、四階部分は二等分された寸法系に変換されることで頂部が引き締められている。
このモジュールを基本としたスパンが連続することで端正で均整のとれた外観を造り出しているが、向かって右手の方に異なるボリュームが加わっている。
この部分は議場だ。 規則を崩す要素でありながら全景に破綻をもたらしていない。 これは、モジュールが同じであることと、柱の上にコンクリートの量塊を載せるという共通のデザインによるためであろう。
更には、ピロティとしてのデザインがより強調されることで、緊張感溢れる造形を成立させている(写真3)。 この議場のボリュームにより、規則性の中に動的な要素がもたらされ、個性的な外観が造り出されている。
逆の左手側は、基本モジュールがたまたまその場所で止められたという印象。 敷地の制約がなければ、理屈の上では同じモジュールで次々と左側に増築可能な構成といえる。

コンクリート打放しの壁面のうち四階部分はところどころに劣化が見受けられる。 但し、その下の階は、上層に対してセットバックしているために直接の雨掛かりとなりにくいためか、比較的劣化が少ない。 上層になるに従い迫り出す意匠は、このような効果ももたらしている。

隣接して、筑西市第一分庁舎※1と筑西市民会館※2が建ち、筑西市のシビックセンターを形成している。



参考文献:
目で見る下館市史<下館市史資料集編さん委員会>

2007.06.23/記