日本の佇まい
国内の様々な建築について徒然に記したサイトです |
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建築探訪
匝瑳市役所本庁舎 |
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所在地:
千葉県匝瑳市 八日市場ハ793番地2 建築年: 1974年3月 設計: 川島甲士 |
写真1:外観 |
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建物の西側に立ち、その妻面外観を眺める。
柱フレームよりもセットバックさせてピロティ空間を設け、エントランスポーチとして機能させた一階廻り。 対して、柱フレームと同面で壁面を設けることで相対的に一階よりも迫り出した二階。 更には柱フレームよりもオーバーハングした三階。 そんな徐々に迫り出すボリュームを強化するように、三階両側に矩形のシリンダー状のフレームが大きく突き出す。 何ともスピード感のあるプロポーションの妻面だ。 その印象を強化するべく、ディテールにも意が払われている。 例えば矩形のシリンダー部分の出隅は全て一段ないしは二段のクリ型が設けられエッジをシャープなものとしている。 そのシリンダーを支える下部二層分の柱も、その中央を窪ませることでスレンダーな印象。 これが単なるのっぺりとした単純な四角の断面であったならば、スピード感は薄まってしまったことであろう。 |
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写真2:三階部分見上げ |
写真3:南東側外観 |
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この外観上の特性は、逆の東側にも同様に展開されている。 そのことにより、矩形シリンダー形状の肥大した桁梁が、ラーメンフレームによって三層の高さまで持ち上げられて二本平行に並ぶ。 そんな建築形式を思わせる。
建物の長辺方向にあたる南面を見ると、矩形シリンダー部分も、単純ラーメンの架構の一部に組み込まれる。
そのことにより、桁梁が貫くイメージは薄らぐものの、両端に突き出る矩形シリンダーによってもたらされる全景は、やはり迫力がある。
北面に廻るとまたイメージが変わる。 |
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写真4:西側外観 左手に垂直動線を収めたシャフトが本棟と45度の振れを持って取り付いている。 |
写真5:シリンダー部分 |
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外観の構成要素は、その解釈が容易な極めて明晰なものとして整理されているが、しかしその明晰さは屋内には展開するには至っていない様だ。
同市役所のサイトで平面プランを確認する限りにいては、片廊下と内部廊下が混在し、そこに諸室が惰性で取りついているかのような印象。
外観ほどには美しいプラン構成とはなっていない。
しかしこれは、内部で実施される行政の効率化の観点から規定されたものなのであろう。 外観で確認可能な明晰な架構形式は、屋内において行政の形式に則った融通無碍なレイアウト展開を可能にしているといえるのかもしれぬ。 |
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