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建築探訪
北海道総務部総務課第一車庫公宅
所在地:
北海道札幌市中央区

規模:
地上4階建て

写真1:外観


※1
ゼンリンの住宅地図'89札幌市<中央区>
<ゼンリン>1988.10

※2
「ゼンリンの住宅地図」の巻末には、集合住宅や事務所ビルの入居者の名称が個々の建物ごとに載せられている。
そこで確認すると、1フロアあたり6つの住戸が有ることが確認出来るのだが、1989年の時点では入居者名の欄は空白になっており、既に無人であったようだ。

5つのアーチの連なりが特徴的な手前のブロックと、背後に見える矩形のブロックの対比が印象的な建物。
写真を撮った時はあまり気に留めていなかったので、何の建物なのか確認していなかった。 そして、改めて確認しようとした時には既に除却された後だった。

撮影した当時の住宅地図※1で調べてみると、タイトルに記載した建築名称が表示されている。 同資料の巻末に掲載されている表※2で調べてみると、建物は4階建て。 1階が車庫、2階から4階が18戸分の公宅となっている。
背後のブロックがこの箇所であろう。 そして、手前の5連アーチで支持される低層のブロックも、住棟1階に連続した屋内車庫なのであろうか。
そう仮定すると、アーチ状の構造体は、屋内を無柱空間として車の配列の自由度を高めるために採用された形式と考えられなくもない。

ちなみに、ここに載せた二枚の写真はいずれも裏の仲通りから撮ったもので、奥に見える住棟が表通りに面している。 即ち、5連のアーチは敷地の裏側なので、建築デザインとして積極的にアピールするために構想されたとは考えにくい。
つまり、過剰な構造表現は単なる装飾的デザインではなく、機能的な要請に基づくものと解釈することも可能になる。



2006.07.08/記