日本の佇まい
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建築探訪
日本抵抗器製作所城端工場
所在地:
富山県南砺市北野

JR西日本城端線の終着駅である城端駅を降りて手前の国道304号を東方向に700mほど歩くと、カーブに差し掛かる。 そこから先、南方面にかけて古い町並みが展開するが、その景観から少し外れた川の手に、この工場が立地する。


写真1:外観

※1
写真2
航空画像*

中央に見える矩形の並びが、連続する11列の鋸状の屋根部分。 その左手に川が流れている様子が確認できる。 写真1は、この写真の左斜め上方向から、写真3は左斜め下方向から撮ったもの。

下見板張りの外壁に瓦葺きの屋根。 ハイテク産業を担う生産施設でありながら、その外観は時代を帯びた穏やかな表情を醸し出した構成だ。 特に、11つの屋根が鋸状に平行に並ぶ棟が目を引く※1。 南側は瓦葺であるが北面はトタン葺きにトップライトを設置。 規則的な意匠であるにも関わらず、使われている素材が伝統的なものであるために、無機質な印象はない。 むしろ、古い町並みを想起させるような佇まいだ。 更に、前面を流れる川や背後の木立等、何やら現代の環境共生建築的なイメージが、既にこの工場では実現しているように見受けられる。


写真3:外観.2

これらの施設の建築年は今のところわからない。 同社のサイトによると、この事業所の設立が1943年ということなので、それなりの歴史を持った建築群ということになろう。



引用した図版の出典:
* 航空画像:国土画像情報(カラー空中写真)<国土交通省>

2007.03.24/記